首の痛み・肩のこり・腕の重だるい感じなどの症状を訴える方が多くみられます。
主な原因は首や肩、背中の筋肉の疲労です。肩の周辺の筋肉が疲労して緊張し硬くなります(僧帽筋、肩甲挙筋、棘下筋など)。筋肉が硬くなると血行不良となり「乳酸」などの疲労物質が筋肉中に蓄積してきます。また筋肉が硬くなることで「凝り」が周りの血管を圧迫します。血管は筋肉に栄養や酸素を送っていますが、押さえつけられることで筋肉への道がふさがれ、栄養や酸素不足になります。
運動不足、こりや痛みがあるせいで頚や肩を動かさなくなったり、姿勢が悪くなることでさらに筋肉が緊張して余計に悪化させます。主な原因はデスクワークやパソコン作業、現代ではスマホを長い時間操作することもその一因です。ちいさなお子さんを育てておられる女性にも多く見られます。
頭を支える頚や肩の筋肉が弱い方、運動不足、ストレス、精神的な緊張、内臓の疲れなどからくる肩こりも増えています。
マッサージを受けたり運動や入浴をしても肩こりが少しも改善されない、安静にしていても悪化するという方は、肩こりの原因に内臓疾患が関係している可能性があります。内臓疾患からくる肩こりには、肩こりだけでなく他にもいろいろな症状が現れるという特徴があります。
肩こりと同時におこる症状としては、頭痛、背部痛、胸痛、めまい、動悸、息切れ、倦怠感、咳などがあります。しかし、これらの中には内臓疾患をともなわない肩こりでもおこるものもあります。
血行不良から起こる一般的な肩こりの場合、治療を受けると改善していきますが治療を続けているにも関わらず全く改善が見られなかったり、状態が悪化するような場合は、一度内科や整形外科を受診し、今起こっている肩こりがなんらかの病気によるものでないかを診てもらうことをおすすめします。
症状として肩こりを伴う主な病気はいくつかありますが心臓疾患では主に狭心症と心筋梗塞があります。
心臓疾患の場合、体の左側や背中に痛みが出たり、左肩がこることがあります。
狭心症の場合はただ単に肩がこるという感じだけでなく背中全体が痛くなったり、人によっては胃痛と感じる場合もあります。
狭心症はだんだん発作の頻度が高くなっていき、最終的に心筋梗塞を起こすことがあるので注意が必要です。
肝炎などの肝臓障害があると、肝臓の上の横隔膜が刺激され、肩の動きに影響が出ます。右の首部分から肩の後ろにかけての痛みも見られます。
下痢や便秘など胃に不調があるときも、肩こりや肩甲骨の間のこりや痛みが見られることがあります
肺結核や肺膜炎になると、咳やだるさ、微熱などの症状が起こりますが、初期症状として肩や背中にこり、だるさが出ることがあります。
肩こりの多くは姿勢の悪さやストレスからの血行不良によるものですが、中にはこういった内臓疾患にともなって現れるものもあります。
肩こりを訴える人の中にはこりがひどくて吐き気がしたリ頭痛がおこったり居ても立っても居られないような状態になる方もおられます。
そのような方には是非鍼治療を受けて頂きたいです。肩や背中,腕には頚から神経が伸びています。頚の筋肉が硬くなって神経を圧迫すると神経の伸びている先の肩や背中の筋肉も硬くなります。筋肉が硬くなると血管も圧迫されて血行が悪くなりその部分にコリやだるさが生じてきます。
そんな時は頚の筋肉を柔らかくしてあげると肩こりによく効きます。
マッサージなどで改善が見られない方は頚の筋肉でも深層にある筋肉を緩めると効果的です。
鍼治療の場合頚の周りの刺鍼が中心になります。寝違いや頚椎症の治療と基本的には同じで、頚と背中の背骨の際(肩甲骨の間あたり)を中心に刺鍼します。
なぜ頚や背中に鍼をするかと言うと肩や腕に行く神経は頚の下の方や背中の上の方から出ています。そこに鍼をした方が効果が上がります。